山の会(OBの会)

日本山岳会創立100周年講演会

社団法人日本山岳会は2005年10月に創立100周年を迎えた。これを記念して「語り継ぐ黎明期の登山……それぞれの山」と題する連続講演会が企画された。第一回が戦前ヒマラヤのナンダコットに登頂した立教大隊のリーダー堀田弥一氏、第二回が東大山の会昭和13年入会のの渡辺兵力氏、第三回が女性の登山グループ「エーデルワイスクラブ」を主宰する坂倉登喜子氏、第四回が東大山の会昭和16年入会の村山雅美氏で、最終の第五回がやはり東大山の会昭和16年入会の松丸秀夫氏でそれぞれ興味深い講演をおこなった。五人のうち三人までが東大山の会会員である。
  2004年4月3日に行われた渡辺氏の講演では、幼い頃からの山とスキーについて触れた後、山登りには集団的自由と個人の自由があること、知識には自然から教わるものと、人から教わるものと二つがあることなど、キチンと原稿を用意された真面目な内容で話され、聴衆に深い感銘を与えた。
  2005年4月22日には村山雅美氏が同じ東大山の会会員の藤本慶光の質問に答える形で、愉しい内容の講演をされた。旧制高校時代のおおらかな気分での山登りや、マナスル登山の先発隊として味わったヒマラヤの話など、おおいに聴衆を愉しませた。
  2005年11月に行われた松丸秀夫氏の講演では、日本山岳会の一時期を画した「山日記」の発行についてスライドを用いて詳細な説明をされた。当時の「山日記」の編集には多くの東大山の会会員が参加していたが、その縁もあって28名もの会員が出席した。なお、これらの講演の記録はDVDになって日本山岳会から東大山の会に寄贈されているのでご覧になりたい方は事務局に申し出られたい。

藤本慶光(昭35)

* 渡辺兵力氏は2005年9月6日に逝去されました。
* 村山雅美氏は2006年11月6日に逝去されました。
* 松丸秀夫氏は2009年10月18日に逝去されました。
ご冥福を祈ります。


第三次先遣隊 前列左より三人目が村山氏


サマ入口よりマナスル
(日本山岳会編『マナスル』より)
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